ライセンス契約

ライセンス契約

 知的財産のライセンスといえば、昔は工業所有権(現在の産業財産権:特許、実用新案、意匠、商標)の実施権、 使用許諾などを指していました。これらは、発明者・考案者などが特許庁に出願し、審査・公告を経て登録されることで、その権利が成立し独占権が得られるという仕組みになっています。

 近年なって、これら産業財産権に隣接する権利として、経済活動に有益で財産的価値の高い情報として法的保護も受ける新しい分野の知的財産が成長してきました。その代表的なものが、著作権トレードシークレット半導体回路配置利用権バイオテクノロジー技術などです。

 その中でも、高度情報化社会の時代のニーズに乗って、今や国家戦略のひとつとなっている知的財産戦略の要(かなめ)ともいえるのが知的財産ライセンスビジネスだといえます。

◆ ライセンス契約
著作権ライセンス インターネット、マルチメディア、ソフトウェアなどの情報化時代を迎え、コンテンツビジネスに代表されるような 著作権ビジネスの範囲が益々広がってきています。

 著作権ライセンスビジネスの核は、著作権、所有権の帰属の仕組みといえます。 例えば、ソフトウェア製品の売買により、同製品の使用許諾を受け、製品を引き渡され代金を支払うことで、そのソフトは購入者に全ての権利が移るかのように見えて、実は法律・契約上は所有権も著作権も同製品の販売元(ライセンサー)に残っているという不可思議な仕組みなのですね。 つまり、ソフトウェアの購入とは、「そのソフトウェアを使用する権利を与えます」、 さらに「そのソフトウェアを他人に譲ることを禁止する」という契約なのです。

 ソフトウェアに限らず、前述コンテンツ(映画、アニメ(キャラクター)、音楽など)部門や、 旧来からの小説などの出版権や翻訳権、近年特に伸びてきた商品化権(キャラクター・マーチャンダイジング)など、全ては著作権ライセンスを活用した経営戦略に基づく著作権ビジネスのカタチです。
トレードシークレット・ライセンス トレードシークレットとは、いわゆる「企業秘密・営業秘密」のことで、企業の有する情報のうち、 秘密として管理され(秘密管理)、事業上有用な情報であり(有用性)、公然と知られていない(非公知性)ものを いいます。「不正競争防止法」により、企業の知的財産権として保護されています。 製品の製造方法に関わる技術的情報などが代表的ですが、各分野におけるノウハウなどその範囲は大変広いといえます。

 トレードシークレットは企業の生命線であり、その経済的価値が高額である反面、不注意や故意による公表や情報漏洩などによって、その経済的価値は激減するという弱点があります。そのために、企業間のライセンス導入を行う際の「秘密保持契約」を締結することはもちろん、ライセンシー(ライセンスを受ける側)の情報開示対象である個人個人からも 「秘密保持確約書」を取り付けるも、リスクマネジメントの一環として欧米諸国では行われているようです。
商標ライセンス 従来の「メーカー(出所)表示」機能から、そのデザインなどから顧客吸引力を持つ独立した財産価値のある知的財産、 つまり「ブランド」ライセンスを指します。この中には、フランチャイズ契約やキャラクターのマーチャンダイジング契約も含まれます。

 フランチャイズはご存知の通り、企業イメージ・企業ブランドによる信用を武器に全国へ出店(チェーン店展開)していく形態です。フランチャイズ加盟などを支援するビジネスも登場しています。

 マーチャンダイジングとは、商品化計画などともいいますが、要するに商品やサービスをいかに消費者のニーズにマッチした形で提供するかの計画と実行・管理を指します。 前記キャラクターのマーチャンダイジングとは、漫画やアニメのキャラクターの人形や文具、お菓子などの関連商品を販売する形態が代表的ですね。

 いずれにせよ、世の中に認知された「ブランド」という商標のライセンスを受け、その顧客吸引力と財産的価値を利用する側もさることながら、ライセンサー側の受けるライセンス料も、今や事業活動における重要な収入源のひとつになっているようです。
別掲「商標とブランド」もご参照下さい。

 


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