男女のトラブル

 例えば、セクハラやストーカーなどにしても、決して女性だけの問題ではなく男性の被害者も多くいます。女性被害者の方が圧倒的に多いのは事実ですが。とにかく、相手の不法行為に対しては毅然とした態度で臨むことが何より重要です。

1 婚約破棄された・・

男女 婚約とは、将来結婚するという約束ですから、当事者同士の合意だけで成立します。別の言い方をすれば「婚姻契約の予約」とも言われます。従って、婚約の不当な破棄に対しては債務不履行や不法行為による損害賠償の請求ができます。

 その前提として、当事者間で「婚約」が成立していたか否か、ということが問題となります。婚約というのは、原則当人同士の口約束だけでも成立するのですが、もし争い事になった場合に相手に否認されたら、婚約の証明は非常に難しくなります。例えば、結納を取り交わす、婚約指輪をもらう(あげる)、家族や親戚・親しい友人知人に紹介する等の証拠があれば有効です。

 その上で、相手方から正当な理由もなく一方的に婚約解消された場合は、その精神的損害物質的損害の両面から損害賠償責任を追及できるわけです。
精神的損害には、結婚を信じてきたことへの裏切りに対する精神的苦痛としての慰謝料です。
 物質的損害には、例えば結婚式や新婚旅行、新居の準備にかかった費用、あるいは結婚に際して会社を退職した場合に、勤務していれば当然に得られたであろう給与等の経済的損失(遺失利益)などがこれに当たります。

 相手方が話し合いにも応じず、どう考えても不当な婚約破棄だと思ったら内容証明郵便で損害 賠償請求の意思を相手方に通知します。このとき相手方の誠意は期待できないかも?と思ったら、「この請求に応じなければ法的手段も辞さない」旨をも書き添えます。

 それでも相手方から納得いく回答が得られなければ、家庭裁判所へ調停を申立てます。お互いに冷静になって、そこへ第三者を入れて話し合ってみて下さい。それでも不調に終わったら、地方裁判所へ訴えを提起し、裁判を起こすことになります。

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※当事務所には、特にこの婚約破棄に関するご相談が多く寄せられています。お気軽にご相談ください。

2 セクハラを受けた

 セクハラ(セクシュアルハラスメント)は、被害者の感じ方次第です。誰かの言動に対してその人が不快だと感じたら、これはセクハラだ!と思ったら、それはその人にとってセクハラになります。そして、それは女性に限った問題ではありません。男性の被害者も少なくありません。

 もし、これはセクハラ?と思ったら、次のことを実践しておきましょう。

①メモを取る、録音をする
 辛いかもしれませんが、これまでにされた不快な行為をできるだけ詳しくメモしておきます。もちろん今日から毎日残していきます。
 いつ、どこで、誰に、何をされたか、それを知っている人、同じようなことをされた人、録音は決定的な証拠となります。
②知人に相談する
 できるだけ信用のおける人に、できれば協力者(証言してくれる)になってもらいます。
③会社等の苦情窓口に相談する
 期待できない場合の多いようですが、相談したことを証明できれば、いざとなった時有利です。
④法律に詳しい人に相談する
 早めに専門の人に以後の対処法などアドバイスをもらっておくと、少しでも精神的な余裕が違うと思います。

 そして、機を見て相手に抗議します。それも生ぬるいものでなく、セクハラを止めることもし止めなければ法的手段に訴える、の2点です。これだけ毅然と口頭で訴えられればいいですが、難しいようであれば内容証明郵便で相手に通知します。

 また、会社に相談はしてみたが、建前だけでなんら改善する努力も見られず、それどころかむしろ自主退職を狙ってセクハラを黙認したり、故意に居づらくなるように仕向けてきたら、会社に対して内容証明郵便で改善を要求します。これは、セクハラの防止・改善を会社に求めたという証拠としても有効となってきます。

 個人対組織(会社、学校等)で解決できなければ、最終手段として裁判を起こす方向にならざる を得ません。なかなかそこまで、といわば泣き寝入りするケースが多いのが現実かもしれませんが、このところ勝訴している裁判が出てきているのも事実です。
 法的には「職場における性的言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮」(男女雇用機会均等法21条)、「使用者責任」「共同不法行為」(民法715、719条)等が適用されています。

3 ストーカー行為を受けている・・

 平成12年11月24日より「ストーカー規制法」(ストーカー行為等の規制等に関する法律) が施行されました。この法律は、ストーカー行為等を処罰するなどの規制を行うとともに、被害者に対する援助等を定めています。
この法律による規制の対象は「つきまとい等」「ストーカー行為」の2つです。

(1)つきまとい等

 特定の者に対する恋愛感情や好意感情、それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の者(本人)や家族他の密接な関係者に対して行う、以下の8項目を「つきまとい等」と規定しています。

  1. つきまとい、待ち伏せ、立ちふさがり、(自宅・学校・職場などで)見張り、押しかける
  2. 行動を監視していると告げる、又はそうだと知れるようにする
  3. 面会、交際の要求
  4. 著しく粗野又は乱暴な言動をする
    (身体の安全、住居等の平穏、名誉が害され、行動の自由が害される不安を覚えさせる)
  5. 無言電話、連続した電話・FAX
  6. 汚物・動物の死体など不快な物の送付、又はそうだと知れるようにする
  7. 名誉を傷つけることを言う、又はそうだと知れるようにする
  8. 性的羞恥心を侵害することを言う、そのような物品を送付、又はそうだと知れるようにする

(2)ストーカー行為

 同一の者に対し、上記「つきまとい等」の行為を反復(2回以上)して行うことを「ストーカー行為」と規定しています。

 これらの行為が確認されたら、内容証明郵便を使って相手に警告します。ストーカーが卑劣で重大な犯罪行為であることを認識させるために、「警察」や「告訴」など法的措置も辞さない旨、 さらには有罪になれば刑罰(6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金)が科されることも付記しておきます。また、相手が法的に素人であれば法律家(行政書士・弁護士など)の署名・職印などがあればより有効でしょう。

 ストーカーは悲しいかな身近な(であった)人であることも多く、できるだけ事を荒立てたくない場合、内容証明で解決できれば最良でしょう。ただ、最近ではご存知の通りストーカーから殺人に発展するケースが増えています。相手の行為がエスカレートしてきたり、身の危険を感じる場合は速やかに警察に相談しましょう。

 因みに「ストーカー規制法」では「つきまとい等」「ストーカー行為」の2つを規制しているので、1度でも「つきまとい等」の行為があれば、警察本部長等が繰り返してはならない旨の警告をすることができます。その警告に従わない場合は、都道府県公安委員会が禁止命令をすることができます。禁止命令に違反して「ストーカー行為」をすると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
 
 

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