相続の基礎

1 相続とは

相続の基礎 故人(被相続人)に属していた財産上の権利義務を、一定の関係のある他の者(相続人)が受け継ぐことです。この場合の財産とは、現金、土地、建物などの正の財産の他に、借金や損害賠償責任などの負の財産も含みます。

◆相続の方法(制度)

①法定相続(法定相続の詳細はこちらへ
 遺言が無い場合、法律(民法)の規定に基づいて相続します。
 この場合、財産を受け継ぐことができる人やその配分率が決められていますが、相続人の間で話し合うことで別に決めることもできます。

②遺言相続(指定相続とも言う。詳細はこちらへ
 遺言が存在する場合、その遺言に基づいて相続します。
 故人(被相続人)の意思が尊重され、遺言という意思表示をすることによって、故人の「財産処分の自由」が法的に認められることになります。

 但し、上記のいずれにせよ法定相続人であれば「遺留分」がありますので、ある程度の 財産は相続できるようになっています。

2 相続分

 相続分とは、相続財産全体に対する各相続人の取り分の割合をいいます。

 相続分は、遺言による指定がある場合はその指定に従い、遺言による指定がない場合には民法に定める一定の割合によります。前者を「指定相続分」、後者を「法定相続分」といいます。

(1)法定相続分

 遺言による指定がない場合に、民法に定める法定相続分が適用されます。詳しくは「法定相続」をご覧ください。

(2)指定相続分

 被相続人は、遺言により法定相続分とは異なる相続分を指定することができます。   指定相続分は、法定相続分に優先します。また、被相続人自身が指定せずに第三者に相続分の指定を委託することもできます。

 相続分の指定や指定の委託は必ず遺言によらなければなりません。

 指定は、法定相続分のように何分の1などとする場合のほかに、誰々には何々を与えるという指定も可能です。「長男には家と土地を与える」のようなケースです。詳しくは「遺言相続」をご覧ください。

(3)特別受益

 特別受益とは、相続人の中に被相続人から遺贈を受けた、又は結婚資金や多額の学費を援助してもらった、あるいは家を建ててもらったなどの生前贈与を受けていた場合のこれら利益をいいます。

 相続開始前にこのように譲り渡された財産を除いた残りの財産を、相続開始後に法定相続分どおりに分けられたとなれば、特別の援助を受けなかった相続人から不公平だと言われても仕方ありません。

 そこで、この不公平を是正するために特別受益分を相続財産の前渡しとみなし、相続開始時の財産額にこれを加算したものを基礎として各相続人の具体的な相続分として計算します。これを「特別受益の持戻し」といいます。

 ただし、持戻しの対象者は被相続人から相続人への贈与ですから、原則として相続人でない者に対する遺贈や生前贈与は対象外となります。

 なお、被相続人は遺言などで「生前贈与の分は遺産分割の際には含めない」という意思表示をすることも可能です。この場合は、その意思表示に従うことになります。これを「持戻しの免除」といいます。

※特別受益の額が相続分を超えるときは、その特別受益を受けた者はその相続分に当たる財産を受けることはできませんが、特別受益の額が相続分を超えていたとしてもその超過分を返還する必要はありません(それを被相続人の意思であるとして尊重する趣旨)。

(4)寄与分

 寄与分制度とは、被相続人に対して特別の寄与を行った相続人については、そうでない他の相続人より遺産分割の際に優遇(相続分以上の財産を取得させる等)することで、実質的な公平を図ろうとするものです。

 特別の寄与とは、例えば

  • 被相続人の事業を手伝い、財産の形成に貢献した
  • 被相続人の自宅の増改築に資金を出した
  • 被相続人の療養看護や老後の世話を特別に努めた

などであり、通常の家族間における扶養義務に当たる程度では認められないと解されます。

 寄与分の額は原則、相続人全員の協議によって決めることになります。協議がまとまらないときは、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることができます。

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