遺言相続

相続の方法(遺言相続)

遺言相続 遺言でできることは、民法上以下の事項に限られています。

①相続の法定原則の修正
相続人の廃除、廃除の取消、相続分の指定、遺言分割方法の指定、遺産分割の禁止 など
②相続以外の財産処分
遺贈に関する事柄、信託の設定 など
③身分関係に関すること
認知、未成年後見人の指定 など
④遺言の執行に関すること
遺言執行者の指定 など

 これらの事項について、被相続人が意思表示をすることのメリットを考えてみましょう。

(1) 自分の思い通りに財産の処分ができる
 もちろん遺言をしていない場合は、法的相続や遺産分割協議で相続され、自分の意思は反映されません。
(2) 自分の死後に、遺族等利害関係人に紛争を起こさせないようにできる
 遺産の分配、借金の処理方法、子の認知などを指示することにより、相続人間の無用な紛争を未然に防ぐことができます。

 なかでも次のような場合には、特に遺言書を作成すべきケースと考えます。

  • 事業を特定の者に継がせたい場合
  • 法定相続人でない者に財産を与えたい場合(内縁の妻 等)
  • 相続人同士が不仲である場合
  • 相続人がいない場合
  • 面倒をみてくれた息子の嫁に財産を残したい場合
  • 親不孝な子供に財産を相続させたくない場合 など

遺言ができる人

 満15歳以上の人なら誰でもできます(民961条)。遺言能力である意思能力は必要です。
(※意思能力…ものごとを判断し、それに基づいて意思決定できる能力。満7歳くらいを想定)
 成年被後見人も(医師2人の立会いで遺言時に心身喪失でなかったと証明すれば)遺言できます。
 盲人、聴覚・言語機能障害者も遺言ができます。

遺言の種類

 遺言は、一定の方式による被相続人の意思表示に、その死後、それに則して法的な効果を 与える制度です。つまり、遺言がその効力を生じるときには被相続人は死亡しているわけです。ですから、民法では遺言の方式について厳格な規定があります。

 遺言には、普通方式特別方式があります。

 普通方式には、自筆証書遺言秘密証書遺言公正証書遺言の3種類があります。
特別方式とは死が差し迫り、普通方式をとる余裕のない危篤時に用いられるものです。

 ここでは一般に使われる普通方式について説明します。

自筆証書遺言秘密証書遺言公正証書遺言
方法遺言者が、遺言の全文・日付・氏名を自書し捺印する。遺言者が、遺言書に署名押印し封印する。それを、公証人1人と証人2人以上の前に提出し、 公証人が日付等を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともに署名押印する。遺言者が、証人2人以上の立会いで遺言内容を公証人に伝え代書してもらう。 内容を承認後、各自署名押印する。
注意パソコン、ワープロはダメ。本文は代書、ワープロ、点字でもよい。病気等で公証人役場へ行けない場合は、公証人が自宅に来てくれる。
長所簡単に作成できる。
遺言の存在自体を秘密にできる。
遺言の存在を明らかにできる。
遺言内容を秘密にできる。
遺言の存在を明らかにできる。
紛失・偽造・変造の危険なし。
公証人が関与するため、内容の不備の危険性は少ない。
短所紛失・偽造・変造の危険あり。
内容の不備があれば無効となる可能性大。
内容の不備があれば無効となる可能性大。遺言内容の秘密が保てない
手続きが面倒。
証人不要公証人1人、証人2人以上2人以上
印鑑何でもよい何でもよい。
但し、本人は遺言書に押印したものと同じ印鑑で封印する。
本人:実印(印鑑証明書も要)
証人:何でもよい
費用特になし公証人手数料(遺産の原価により変動)同左
保管遺言者が自分で保管同左公証人役場で原本を20年間保管
開封保管者、発見者が家庭裁判所で検認が必要同左遺言者が死亡後、遺族が開封できる。検認不要

ご相談はこちらまで

※当事務所では、遺言書作成に係るお手伝いをしております。お気軽にご相談ください。

(参考)特別方式

死亡危篤者遺言疾病その他の事由によって死亡の危篤に迫った者が遺言する
船舶遭難者遺言船舶遭難の場合に、船舶中にあって死亡の危篤に迫った者が遺言する
伝染病隔離者遺言伝染病により、一般社会との交通が絶たれている場所に居る者が遺言する
在船者遺言船舶中にある者が遺言する

Comments are closed.